髪を染めたときに頭皮が痒くなる理由

---

① 薬剤による刺激（刺激性）

多くのヘアカラーには「アルカリ剤」や「過酸化水素」など、髪を明るくしたり色を発色させるための成分が入っています。


これらはどうしても皮膚にとっては刺激になりやすい成分です。

• もともと乾燥肌・敏感肌の方
• 頭皮が乾燥する時期や季節の変わり目で頭皮が荒れ気味のとき
• シャンプーのしすぎで皮脂が少ないとき

こういったタイミングでカラーをすると、普段は平気でも「ピリピリ・ムズムズ」を感じやすくなります。


② アレルギー反応（ジアミンアレルギーなど）

市販で売られているホームカラー剤や、美容院の白髪染め・おしゃれ染めに多く使われている「酸化染毛剤」には、パラフェニレンジアミン（通称：ジアミン） という染料成分が入っているものがあります。


このジアミンに、体質的にアレルギーを持っている方もいます。

• カラー中だけでなく、翌日以降もかゆみ・赤み・湿疹が続く
• 顔まわり・まぶた・首まで赤く腫れてくる
• 市販カラーでも、美容室カラーでも同じような症状が出る

こういう場合は、アレルギーの可能性があるため要注意です。アレルギーは、一度発症すると繰り返しやすく、場合によっては重い症状につながることもあります。


③ 頭皮のコンディション不良やホルモンバランスの乱れ


カラー前の頭皮状態やホルモンバランスでも、かゆみの出やすさに関係します。

• 日焼けで頭皮がダメージを受けている
• 肌に合わないシャンプー剤の使用や、スタイリング剤や汚れが溜まり、炎症を起こしやすくなっている
• 生活リズムの乱れやストレス、自律神経の乱れで、バリア機能が低下している

このように「もともと頭皮が弱っているor敏感な状態」のところにカラー剤が触れると、軽い刺激でもかゆみを感じやすくなります。

頭皮が痒くなりにくくするためのポイント

---

ここからは、ご自宅・美容院のどちらでも意識できる予防ポイントをまとめています。参考にしてみてくださいね。


① カラー前日は「頭皮に優しく過ごす」

• 髪を染める前日にゴシゴシ洗いすぎない
• シャンプー剤の使用量を控える（使用量が増えると皮脂を落としすぎて、刺激から守ってくれる頭皮のバリアが弱くなります）
• スカルプブラシの使用やクレンジング系のシャンプー剤の使用は控える

「明日は髪を染める日だなぁ」と決まっているときは、頭皮を休ませる日だと思って、刺激を与えないように過ごしてあげてください。


② 髪を染める際の塗り方や、事前処理・後処理で症状を和らげる


当店では髪を染める際にお客様それぞれの症状に合わせて、以下の対応をしています。

• 髪を染める前に頭皮の保護クリームで保護する
• カラー剤に刺激やアレルゲン軽減の処理剤を混合して施術
• 頭皮に直接カラー剤が付かないように塗布する(根元のギリギリまで染まりづらいため個々に対応)
• カラー剤に含まれる過酸化水素を分解、髪を染める際に発生する活性酸素を除去する処理剤を使用